NISAやiDeCoを始める前に!
家計管理が「お金の土台」になる理由
「NISAを始めたい」「iDeCoに興味がある」そんな声をよく耳にします。
すでに始めている方も多くいらっしゃいます。
でも実は──
お金を増やす前に整えておきたいのが「家計管理」。
家計を見える化して、使う・貯める・備えるのバランスを整えることが、
安心して資産運用を始めるための「土台」になります。
なぜ「家計管理」が土台になるの?
投資やNISA・iDeCoは「お金を育てる仕組み」ですが、
家計管理は「お金を守る仕組み」。
どんなに良い投資をしても、毎月の収支が把握できていなければ、貯めたお金がすぐに流れてしまいます。
独立系FPだからこそ伝えたい”中立な視点”
「運用商品を選ぶ前に、今の家計の”体質”を知ることが最優先」です。
金融機関では「この商品がおすすめです」と提案されることが多いですが、その前に「あなたの家計が、運用を始められる状態かどうか」を確認することが本来は必要。
運用を始めたものの、想定外の出費で解約してしまう例は少なくありません。だからこそ、家計管理という土台づくりが何より大切です。
まずは”今のお金の流れ”を知る
家計管理の第一歩は、「現状を知ること」。
毎月の収入・支出をざっくりでいいので把握してみましょう。
自分の家計にも当てはめながらチェックしてみてください。
支出を5つに分けて考えるのがコツ
支出は以下の5分類で整理するとわかりやすくなります。
| 区分 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 固定費 | 家賃・保険料・通信費など | 見直し効果が大きい |
| 変動費 | 食費・日用品・交通費など | 週単位で予算を意識 |
| 特別費 | 年間イベントや大型出費 | 年単位で計画を立てる |
| 予備費 | 想定外の支出 | “お守り費”として確保 |
| 生活費(ベース) | 全体のバランス調整 | 生活リズムに合わせて調整 |
この分類で管理すると、
「どこに無駄があるか」「どこを見直せるか」が自然と見えてきます。
ライフステージ変化を見据えた”しなやかな家計管理”
妊娠・出産・育児・介護・体調の変化など、収入や支出が大きく変わるタイミングがあります。
そこで有効なのが、「固定しすぎない、しなやかな家計管理」。
- 産休・育休中は収入減を前提に、固定費を見直す
- 子どもの成長に合わせて、教育費の特別費枠を段階的に増やす
- フリーランスなら収入の波に備えて、予備費を厚めに設定する
- 更年期や体調変化時は、医療費・メンテナンス費を柔軟に調整
「心と身体の状態」は家計に直結します。無理のない範囲で、ライフステージに合わせて家計も”調整”していく設計が大切です。
家計を整えることで”安心して運用できる”土台ができる
NISAやiDeCoを始めるとき、
「どのくらい投資に回せるのか」
「今の貯金をどのように分けるか」
は、家計を把握しているかどうかで大きく変わります。
生活費と運用資金の線引きをしておけば、急な出費があっても慌てません。
運用開始の判断基準:「生活防衛資金」を先に確保
「生活防衛資金」とは、収入が途絶えても一定期間暮らせる貯蓄のこと。
一般的な目安は以下のとおりです。
- 会社員・公務員 → 3〜6ヶ月分
- フリーランス・自営業 → 6〜12ヶ月分(収入の波があるため)
- 子育て中・介護中 → 6ヶ月分+α(突発的な支出に備えて)
この生活防衛資金が普通預金や定期預金など、すぐに引き出せる形で確保できているか。
これが確認できて初めて、「NISA・iDeCoに回せる余裕資金」が見えてきます。
運用は、あくまで「当面使わない余裕資金」で始めるのが鉄則です。
家計管理を続けるコツ
完璧を目指さない
最初からきれいに分けようとしなくてOK。
「今月はざっくり予算だけ決める」でも十分です。
可視化ツールを使う
家計簿アプリ(マネーフォワード MEやZaimなど)を活用すれば、自動集計で継続がラク。
数字を味方につけるシンプルな方法
「事業用」と「家計用」の口座を分けるだけで、お金の流れは明確になります。
クラウド会計と家計簿アプリを併用すれば、家計管理と確定申告の準備が同時に進みやすいです。
- 収入の波が大きい場合は 年単位の視点も加える
- 経費と生活費が混在しないよう口座・カードを分ける
- 日々の記録が確定申告の土台になる
1ヶ月に1回、見直す日を決める
習慣化のポイントは「振り返り」。
月末に”使い方のふりかえり”をするだけで、次月の予算の精度が上がります。
まとめ|”家計の土台”ができれば、運用も自然に続けられる
家計管理は地味に見えて、実は資産形成の要。「使う・貯める・備える」のバランスが整うと運用も続けやすくなります。
まずは”今あるお金”と”これから使うお金”を整理して、
NISAやiDeCoの運用を安心してスタートできる土台を整えましょう。
ひとりで抱え込まないために
お金の悩みは、ひとりで抱えると答えが見えにくいことがあります。中立な立場の専門家や公的相談機関、信頼できる情報源を活用しながら、今の状況に合った家計の形を一緒に考えていくことも大切です。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の認定アドバイザーなど、信頼できる相談窓口を早めに活用することで、将来に向けた選択肢を整理しやすくなります。
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