年末調整と確定申告の違いをわかりやすく解説|副業・フリーランスはどっちが必要?

年末が近づくと話題になる「年末調整」と「確定申告」。
会社員の方は「年末調整だけで大丈夫」と思いがちですが、副業をしている方は「確定申告も必要?」と迷うことも多いですよね。

この記事では、年末調整と確定申告の違いを整理しながら、副業会社員・フリーランスにとってどちらが必要なのかを、わかりやすく解説します。

💡 年末調整と確定申告の違い

比較項目 年末調整 確定申告
対象者 会社員 個人事業主・副業者
手続きを行う人 勤務先(会社) 自分自身
対象期間 その年の給与所得 1年間の全所得
時期 11月〜12月 翌年2月16日〜3月15日
対応できる控除 扶養・配偶者・保険料など 医療費・住宅ローン・寄附金など
提出先 会社 税務署

👉 ポイント: 会社員は原則「年末調整」で完結しますが、副業や控除を追加したい場合は「確定申告」が必要になります。

🏢 年末調整とは?仕組みとメリット・デメリット

年末調整の基本的な仕組み

会社員の給与からは、毎月「源泉徴収」で概算の所得税が天引きされています。
年末調整は、この1年間の所得に基づいて正しい税額を再計算し、払いすぎや不足を精算する仕組みです。

年末調整のメリット

  • 会社が給与所得者の1年分の所得税を再計算し、払いすぎや不足を調整してくれる
  • 申告漏れが起きにくい
  • 税金の過不足が年内に精算される

年末調整のデメリット

  • 医療費控除・住宅ローン控除(初年度)などは対象外
  • 副業収入は反映されない
  • 転職や退職のタイミングによっては未実施になることも

年末調整で受けられる主な控除

  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 配偶者・扶養控除
  • 社会保険料控除

💡なお、住宅ローン控除の初年度は年末調整ではなく確定申告が必要です。

📄 確定申告とは?手続きの流れと注意点

確定申告の仕組み

1年間(1月1日〜12月31日)の所得と税金を自分で計算し、税務署に申告する制度です。
副業・事業所得のある方や、医療費控除などを受けたい方は必須の手続きになります。

確定申告が必要な人

  • 副業収入が年間20万円を超える人
  • 2ヶ所以上から給与を受け取っている人
  • 事業・不動産・株式などの所得がある人
  • 医療費控除や住宅ローン控除を受けたい人

提出時期と方法

  • 期間:毎年2月16日〜3月15日
  • 方法:e-Tax(電子申告)または書面提出
  • 還付申告:翌年1月から受付可能
副業会社員はどっちが必要?

副業をしている会社員は、所得金額に応じて手続きが異なります。

状況 必要な手続き
給与のみ 年末調整のみ
副業収入20万円以下 所得税は不要だが住民税の申告は必要
副業収入20万円超 確定申告が必要
フリーランス・事業所得あり 確定申告必須

「20万円ルール」に注意

「副業が20万円以下なら確定申告不要」と言われますが、これは所得税のみの特例です。
住民税は別途申告が必要なケースがあり、申告しないと未申告扱いになることもあります。

💬 副業収入は「雑所得」か「事業所得」か?

  • 雑所得:単発の報酬・フリマ売上・ポイント収入など(決算書不要)
  • 事業所得:継続的に行うライター業・講師業・EC販売など(決算書作成必要)

どちらも「収入−経費」で所得を計算しますが、帳簿の作成義務・控除の有無が異なります。

💼 フリーランス・個人事業主の確定申告完全ガイド

年末調整が関係ない理由

フリーランスは雇用契約ではないため、会社が税金を調整してくれません。
よって、自分で確定申告を行い、所得税・住民税を計算します。

白色申告 vs 青色申告

項目 白色申告 青色申告
帳簿形式 簡易帳簿 複式簿記
控除額 なし 最大65万円
節税効果 大(赤字繰越・家族給与も可)

雑所得と事業所得の違い

継続性・独立性・規模が判断基準です。 副業が一時的なら「雑所得」、継続的であれば「事業所得」に該当します。

年末調整と確定申告を両方行うケース

  • 医療費控除を受けたい場合
  • 住宅ローン控除の初年度
  • ふるさと納税のワンストップ特例を使わない場合
  • 株式投資の損益通算を行う場合

これらは年末調整では対応できない控除のため、確定申告が必要です。

🙋‍♀️ よくある質問(FAQ)

Q1. 年末調整後に確定申告はできる?
はい。医療費控除や寄附金控除など、年末調整で反映されない控除を追加申告できます。
Q2. 副業が会社にバレる原因は?
住民税の課税方法が「給与天引き(特別徴収)」だと通知される可能性があります。普通徴収に変更して申告しましょう。
Q3. 確定申告を忘れた場合は?
期限後申告となり、延滞税・無申告加算税がかかることがあります。早めの対応を。

🧩 まとめ|自分に合った手続きを確認しよう

  • 年末調整=会社が税金の計算と調整を行ってくれる
  • 確定申告=自分で申告する
  • 副業20万円超なら確定申告が必要
  • 医療費控除・住宅ローン控除は確定申告で対応

👉 不安な場合は、早めに専門家へ相談すると安心です。

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