【開業1年目の確定申告】つまずきやすい4つのポイントと対処法|2~3年目でも使える実践ガイド

【開業1年目の確定申告】つまずきやすい4つのポイントと対処法|2~3年目でも使える実践ガイド

「一応出せたけど、これで合っているのか不安…」

開業して最初の確定申告。そんな声を、私は毎年数多く聞いています。

「会計ソフトに入力して、なんとか提出できた」
「でも本当にこれで正しいのか、正直よく分からない」

実は、確定申告でつまずくポイントは毎年ほぼ同じところに集中しています。そして、そのつまずきの原因は「知識不足」ではなく、「判断の仕方が分からない」ことにあるのです。

この記事では、開業1年目〜数年目の個人事業主・フリーランスの方が特につまずきやすい4つのポイントを整理し、「最低限ここは押さえておきたい」考え方を具体的に解説します。

確定申告

なぜ開業1年目の確定申告は「なんとなく不安」が残るのか

原因は「判断に慣れていない」こと

確定申告が難しく感じる一番の理由は、制度が複雑だからではありません。

「これは経費になるのか?」
「家賃の何割を事業用にしていいのか?」
「この仕訳で合っているのか?」

といった、日々の小さな判断に慣れていないことが不安の本質です。

会計ソフトを導入すれば、確かに入力作業は楽になります。しかし、「何を・どう入力するか」の判断は、ソフトが代わりにしてくれるわけではありません。

「なんとなく形になる」からこそ、落とし穴がある

厳しいことを言うようですが、会計ソフトを使うと「なんとなく形になってしまう」のが最大のリスクです。

入力画面に従って数字を入れれば、それなりに決算書らしいものができあがります。だからこそ、あたかも正確にできているような錯覚に陥りやすいのです。

実際、蓋を開けてみると…

  • 現金残高がマイナスになっている
  • 借入金を経費に入れている
  • クレジットカードの未払金が積み上がったまま

といった状態になっているケースは決して少なくありません。

これは悪いことではなく、むしろ当たり前のことです。簿記の資格を持っていても、いきなり正確な決算書まで作れる人はほとんどいません。

だからこそ、理解不足を自覚し、早い段階で専門家を頼るべきところは頼ることが、確定申告をスムーズに進める近道なのです。

判断

つまずきポイント① 「どこまで経費にしていいか分からない」

経費で一番多い悩みがここ

「これって経費になる?」
「グレーな気がするけど、入れていいの?」

経費について最も多い相談が、この「判断の基準が分からない」という悩みです。

結論から言うと、グレーゾーンを攻める必要はまったくありません。

経費判断の3つの基本ルール

  1. 事業のために使ったお金か
  2. 事業との関係を説明できるか
  3. プライベート(家事費)ではないか

重要なのは、「入れても大丈夫か」ではなく「説明できるか」という視点です。

よくあるNG例

  • 「みんな入れてるらしいから」と根拠なく計上
  • 「これくらいならバレないだろう」という考え方
  • プライベートの支出なのに無理やり事業に結びつける

正しい考え方

  • 取引先との打ち合わせで使った喫茶店代 → 会議費
  • 業務用パソコン購入 → 消耗品費または減価償却
  • 事業関連の書籍・セミナー → 新聞図書費・研修費

「税務署に聞かれたときに、事業との関連をきちんと説明できるかどうか」が判断の基準です。

つまずきポイント② 家事按分の考え方があいまい

「家事按分」って何?

家事按分(かじあんぶん)とは、仕事とプライベートが混ざっている支出を、使っている割合で分けて考えることです。

自宅を事務所としても使っている在宅ワーカーや、私用のスマホで仕事の連絡もしているフリーランスの場合、この家事按分が必須になります。

対象項目 按分の考え方
🏠 自宅の家賃・光熱費 使用面積や使用時間で按分。事業専用スペースの㎡数÷全体の㎡数
📱 スマホ代・ネット通信費 通話時間やデータ使用量で按分。事業用通話時間÷総通話時間
🚗 自動車関連費用 走行距離で按分。事業用走行距離÷総走行距離

よくあるNG例

  • なんとなく「半分」にしている
  • 毎年コロコロと按分割合を変えている
  • 根拠を説明できない

正しい考え方

家事按分で大切なのは、「正解の数字」ではなく「説明できる根拠」です。計算方法を記録し、毎年一貫した基準で按分しましょう。

📐 家賃の按分例

自宅50㎡のうち、仕事専用スペースが10㎡
按分割合:10㎡÷50㎡=20%
家賃8万円×20%=16,000円を経費計上

📞 スマホ代の按分例

月の通話時間100時間のうち、仕事関連が30時間
按分割合:30%
スマホ代5,000円×30%=1,500円を経費計上

重要なのは、税務署から質問されたときに「どのように計算したか」を説明できる状態にしておくことです。

契約書、領収書、使用実態の記録(メモや日誌でOK)などを保管しておきましょう。

つまずきポイント③ 会計ソフトを「入力するだけ」で終わっている

会計ソフトは「道具」であって「答え」ではない

  • 残高が合っているか分からない
  • 売掛金・買掛金の意味があいまい
  • クレジットカードや口座連携が正しく動いているか不安

こうした状態で確定申告を迎える方は、実は少なくありません。

会計ソフトは、税金を自動計算してくれる魔法の箱ではなく、事業の記録帳です。

よくある間違い 原因と対処法
❌ 現金残高がマイナス 現金で払っていないのに「現金」で仕訳している。実際の支払方法(クレジット・口座振替)を正確に記録する
❌ 借入金を経費にしている 借入は「負債(借金)」であり、経費ではない。借入金は「借入金」勘定で処理する
❌ 所得税・住民税を経費化 個人事業主の所得税・住民税は経費にならない。「事業主貸」で処理する
❌ 未払金が積み上がる クレジット払いの仕訳が二重になっている可能性。購入時と引き落とし時の処理を確認
❌ なんでも「雑費」 雑費が多すぎると、事業の実態が見えなくなる。適切な勘定科目を使い分ける

確認すべきポイント

  • 現金出納帳の残高が実際の財布の中身と一致しているか
  • 預金残高が通帳の残高と一致しているか
  • 売掛金・買掛金が未処理のまま残っていないか

分からないまま進めると、確定申告の時期にまとめて不安が爆発します。

月に一度、通帳と会計ソフトを突き合わせる習慣をつけるだけでも、大きく変わります。

つまずきポイント④ 「とりあえず出した」で終わってしまう

1年目は「間に合ったからOK」で終わりがち

開業1年目は、とにかく期限に間に合わせることで精一杯です。

「何とか提出できた!」という達成感で終わるのも無理はありません。

ただし、2年目・3年目になると、別の不安が出てきます。

  • 前年とやり方が違っていないか
  • このまま続けて大丈夫なのか
  • そろそろ見直した方がいいのでは…

確定申告は、毎年同じ作業の繰り返しではありません。

事業の規模が変われば、処理方法も変わります。消費税の課税事業者になるタイミングもあります。

「見直しのタイミング」を逃さない

💰 売上が1,000万円超

2年後に消費税の課税事業者になる可能性。インボイス制度導入後の現在は特に注意が必要です。簡易課税と本則課税、どちらが有利かの検討も必要になります。

📘 青色申告への切替

期限までに「青色申告承認申請書」の提出が必要。65万円控除のメリット大

👥 従業員を雇用

給与計算・源泉徴収の対応が必要。労務管理の体制整備も検討

📄 インボイス登録

取引先から「インボイス登録していますか?」と聞かれたら要検討

「今年も去年と同じでいいや」という思考停止が、後々の大きなトラブルにつながります。

特に消費税については、売上が1,000万円を超えた時点で「2年後」を見据えた準備が必要です。簡易課税制度の選択も、事前に届出が必要なため、早めの判断が求められます。

インボイス制度と消費税について

インボイス制度が導入された現在、消費税の課税事業者になるかどうかは、単なる売上基準だけでなく、取引先との関係も大きく影響します。

こんな場合は早めに相談を

  • 主な取引先が法人で、インボイス登録を求められている
  • 売上が1,000万円に近づいてきた
  • 簡易課税と本則課税の違いがよく分からない
  • 消費税の計算方法に不安がある

消費税は所得税よりも複雑で、選択を誤ると税負担が大きく変わる可能性があります。

決算書

確定申告前に、最低限見直しておきたい3つのこと

完璧を目指す必要はありません。まずは次の3つだけ、チェックしてみてください。

経費の考え方が整理できているか

事業との関連を説明できるか / プライベートの支出が混ざっていないか

家事按分の根拠を説明できるか

割合の計算方法を記録しているか / 毎年一貫した基準で按分しているか

会計ソフトの数字を「自分で把握」できているか

現金・預金の残高は実際と一致しているか / 売掛金・買掛金の処理漏れはないか

この3つが整理できると、確定申告の不安は大きく減ります。

「分からないまま」にしないことが一番大切

確定申告は、分からないままでも提出はできてしまいます。

だからこそ、

  • 「毎年なんとなく同じやり方」
  • 「本当は合っているか不安」

という状態が続きやすいのです。

もし、

  • これで合っているか確認したい
  • 考え方を一度整理したい
  • 自分の場合を見てほしい

そう感じたら、今が見直しのタイミングかもしれません。

近道は「早い段階で専門家を頼ること」

簿記の知識があっても、いきなり正確な決算書を作るのは困難です。

理解不足は悪いことではなく、むしろ当たり前です。

大切なのは、分からないことを分からないままにせず、頼るべきところは早めに専門家を頼ること

それが、確定申告をスムーズに進め、事業に集中するための最短ルートです。

まとめ:開業1年目の確定申告で大切なのは「考え方の整理」

開業1年目の確定申告で本当に大切なのは、

❌ 完璧な知識を身につけること
判断の考え方を整理すること

です。

分からないのは、悪いことではありません。
きちんと整理すれば、確定申告は少しずつ「作業」になります。

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図解でやさしく、さらに分かりやすく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

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こんな方におすすめ

  • 確定申告の進め方に不安がある
  • 会計ソフトの使い方が合っているか確認したい
  • 経費や家事按分の考え方を整理したい
  • 記帳代行を依頼して本業に集中したい
  • 消費税・インボイス制度について相談したい

対応している会計ソフト

マネーフォワード / Freee / 弥生(その他はご相談ください)

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